尊敬する人を問われたら、母方の祖父と俳優・大泉洋さんを挙げる。
身近な祖父は亡くなったけれども
先に身内の話をすると、祖父は昭和2年生まれで96歳の大往生だった。第二次世界大戦はもちろん、生まれてすぐに家族で満州開拓団として移民、戦争後はシベリア抑留となかなか波乱万丈な人生だったらしい。
戦争後の何もないところから電気・ガス・水道事業を始めて個人事業ながら店を構えて家族を支えた。祖父と地元をドライブすると、木しかない山を指さして「あそこらへんのテレビ線とかの工事は全部じいちゃんがやった(当時は人が多く住んでいたらしい)」という話を聞くたびに誇らしくなる。
弔問いただいた方は皆「おいさんにはよくしてもらった」と声をそろえて言ってもらえて、じいちゃんの孫でよかったなと30を超えて再度認識した。
「戦争で一度死んだと思えば何も怖くない」と言う祖父の兄弟はほとんどが独立して自営業していた。私が勤め人が向かないのはその遺伝子を引き継いでいるからだと思っている。
大泉洋という精神
こういう故人の話をするとしょっぱくなるので、外で聞かれたときは俳優の大泉洋さんと答える。私は何より水曜どうでしょうが大好きなのだ。2019年のライブビューイングにも行った。

大泉さんの本当に素晴らしいと思うところは抜群のワードセンスと、どんな状況でも笑いにするムードメーカーなところ。これは尊敬より憧れが近いのかもしれない。
「夏野菜(料理)を作ります」とだけ聞かされ、それならばといきつけのレストランのシェフにわざわざパイ生地を作ってもらったのに、実際は「夏野菜の畑を作る」ことでパイ生地が無駄になってしまった。これがシェフ大泉夏野菜スペシャル「おいパイ食わねぇか」事件である。

これだけ見ても何も面白くないだろうが、初めてこれを見た時の衝撃たるや。
この後のグダグダなやり取りも面白いのだけど、無駄になってしまったパイを笑いに消化する。そうそうできることではない。
大泉さんは大俳優となった今もボヤくことがあるけれど、昔はもっとボヤいていた。気に入らないことがあれば(だいたい大泉さんは悪くないのだけれど)永遠に文句を言い続ける。疲れただの暑いだの腹減っただの、とにかく文句を言う。だけれど、文句だけど、面白いのが大泉洋なのだ。
これはだいたいスタッフ(主に藤村Dとミスター)が主犯格で、苦しむ大泉さんを見てゲラゲラ笑うというスタイルがそもそもの「水曜どうでしょう」なのだけれど、人間本当に苦しい時に「笑い」を考えることなんてできないだろう。
それを体を張って長年し続けていたのが大泉洋なのだ。
苦しい時に他人を思える人
大泉さんが笑わせようと思ってボヤいているのか、ボヤいたら藤村Dが馬鹿みたいに笑うからウケたのかはわからない。どっちにしてもツライ状況で笑いが生まれるのは誰かが犠牲になる必要があることだと思う。
また彼は周りを見る能力がすごい。コメンテーターや司会としても活躍中だが、人のイジリもテンポも安心して見られる。(ひいき目かもしれないが。)
私は本当に何も面白くない時は水どうをみながらビールを飲む日を設ける。平成初期だから許された悪乗りと今では大御所の大泉洋、安田顕、たまに音尾さん、リーダー、ミスター残念、音尾さんの登場が今となってはとんでもないお宝映像のオンパレードである。
「甘いもの国盗り物語」では盛大に牛乳をリバースする安田顕が見られる。落としたソフトクリームを拾おうとする安田顕もいる。
私が一番好きなのは「試験にでるどうでしょう~四国八十八カ所Ⅱ」。やっぱり大泉洋、ミスター、ヤスケンの三人組が好きらしい。
事務所の社長がタレントにドロップキックする稀有な番組である。
「つらい時も笑える環境を作り出せる人」が私が大泉さんを尊敬する理由だ。これは常々忘れずに生きていきたい。
ちなみに当ブログタイトル「かなスの巣」はミスターこと鈴井貴之氏の「鈴井の巣」を少々参考にさせていただいている。
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