長年愛用していたハンカチを無くした。厳密にはどこかに落としてしまったのだろう。ガサガサゴワゴワになっても尚現役で使っていたことに、ハンカチ側から愛想が尽かされてしまったのかもしれない。
手放すもの とき
忘れもしない新大阪駅で購入した、フエキくんとサンリオコラボのもの。ふかふかのパイル地にシンプルなワンポイントで大変使いやすく、先述の通りゴワゴワになるまで愛用していた。
ハンカチ・タオル愛好家として、日々新しいハンカチの入手には勤しんでいるものの、タオルや布は使い込むほどに手になじむ。パリッパリにノリのきいたビジネスホテルのシーツよりも煎餅布団の方がよく眠れるのと似ている。
正直そろそろ世代交代だなぁとは思っていた。だがまだまだ止まらぬ汗を拭ってもらうためには、ベテランの即戦力に頼らざるを得ない。先日せっかくカービィのハンカチを買ったのに、まだ一度しか使っていないのも看過できない。
不慮に無くしてしまったものについて、「お役目が終わったから手放されたんだよ」などと聞いたことがある。その時は「うるせーこっちはまだ使いたかったのに」と思っていたが、なるほど確かに、今回についてはごもっともかもしれない。
穴の開いた靴下と同じく、「今日使ったらお風呂で脱ぐ時そのまま捨てよう」と思いつつ、気が付いたら”いつも”の流れで洗濯機に放り込んでしまい、仕方がないねぇとそのまま干してしまう。この現象には名前を付けた方がいい。
今回のハンカチについてはお気に入りだったし、家に帰ればそのまま洗濯機に放り込むつもりだった。いい加減フエキくんも辟易していたのだろう。中々強引ではあるし私の不注意とは言え、出先で落としてしまってはどうにもならない。心優しい人の手によって、ゴミ箱まで供養してもらうことを願う外ない。
まぁただ、タイミングってのはあると思う。10月になったとはいえ日差しの強い午前中、おかげで汗ダラダラでパン屋でサンドイッチを買い、汗びっしょりでドラッグストアに行く羽目になった。せめて、家に帰って気が付いたらなかった、ぐらいのものにはならないだろうか。
散々働かせた挙句、進退の時期まで文句を言われるのだから、うちに赴任するハンカチにはいい加減同情する。布にもワークライフバランスを考慮すべきか。うーん。
