かなスの巣

後腐れのない日記帳

読書で食と心を整える

 久々に本を買ったついでに、以前買った本を読みなおした。一度読んでいるはずだが、それでも久々に再度ダウンロードすればまた違う味わいがあるから面白い。

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没頭できる世界

 私は「食」にまつわる書籍が好きだ。だが、読む本人には「食」への探求心がとんとない。自身に興味がないからこそ、外部からの情報を仕入れたがる、なんとも不思議なことをしている。

 食の書籍が好きになったきっかけはいろいろあったと思うが、多分きのう何食べた?が決定打だったように思う。

きのう何食べた?(24) (モーニングコミックス)

 その前にも「お取り寄せ王子 飯田好実」や「花のズボラ飯」「いつかティファニーで朝食を」なんかを読んでいたと思う。とにかくヒューマンドラマ×食事は面白い。ドラマだと「深夜食堂」なんかもイイ。

 

 「きのう何食べた?」みたいに細々と解説と一緒に読み進めるのも好きだし、山本ふみこ氏の「朝ごはんからはじまる」や安野モヨコ氏の「くいいじ」にあるような、各ご家庭の厨仕事のこだわりをのぞき見させていただくのもイイ。

 竹で編んだザル、味噌を味噌漉しを使って溶く、琺瑯のミルクパンで作るチャイ。どれも使ったこと・したことがないからこそ美しく、私にはいささか早すぎる贅沢。書面・画面越しに見るから「いいなぁ」と思うのは間違いないのだけれど、手間暇の裏側まで見られるのは本当に面白いと思う。
 
 さて、改めてだが私は食に対してとんと興味がない。とりわけ外食においては本当に疎い。どこどこの店がおいしいとか、どこで修行した大将が、とか。
 なんでも素焼きに塩コショウが一番おいしいと思っている人間だもんで、誰がどう作ったかより、旬とか産地とか、そういった方が気になる。ミシュランがなにがしの料理人が振舞う夏の秋刀魚より、スーパーで買う秋の秋刀魚の方がおいしいのではと思う。(そもそもそんな料理人が旬以外にそんなものを振舞うとは思えないが。)
 旅行にもあまり興味がないのはこういうこともあるのだと思うが、いかんせん「食」で心が大きく揺さぶられたことがないのだから仕方がない。その分、文学や芸術において感銘を受けることが多かったから、まぁ結局のところ、とんとんなのだろう。
 こういうことを言うと「もったいない」と言われる。果たしてそうだろうか。
 逆に毎日の自炊でも感動できるのだから、安上がりで大変によろしいことだと思っている。
 
 久々に午後一杯読書を楽しんだが、ふっと時計に目を向けた瞬間、一気に現実に戻された解放感に驚いた。気が付いたら自分でも驚くほど没頭していたようだ。
 読書の後、現実に引きずり込まれる虚無感。ちょこちょこと数ページずつ読むことはしていたが、数冊にわたってずっしりと読んだのは久方ぶりだし、こんなに集中したのもいつぶりだろう。開けっ放しの窓を忘れて、すっかりと冷え切った爪先を擦りながら夕飯の支度にとりかかる。
 今日はせいろで簡単に蒸し野菜、そこにちょっといい塩で少しだけしゃれこもうと思う。シロさんを見習い、炭水化物は少し控えることにする。