【6.3 日記】サイゼリヤとワインとトキメキと

おはよう。日記の時間だよ
サイゼリヤ、たのし~~~!!
はじめてサイゼリヤに行ったのは、28歳くらいの時だった。
物理学者・アインシュタインの名言「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションである」の通り、18歳までに出会ったことがない人、立ち寄ったことがない店と言うのは、さながらミシュランガイドに掲載されているぐらいに畏怖されるもので、理解に時間がかかるものである。
実家を出てからも出会ったことがないわけではなかった。でもいつも店舗の入り口には近隣の高校生らがガチャガチャとたむろしていたし、当時まだ23歳程度の小娘だった私には「ひとりファミレス」の敷居がなにより高いこと。
そんな恥ずかしい思いをするくらいなら、隣のバーガーキングでテイクアウトしたほうがいいし、駅の本屋でお買い物をして、向かいのパン屋でイートインしたほうがいい。
今調べたら下高井戸のサイゼリヤは閉店していた。毒にも薬にもならない思い出である。
大阪に来ても尚「今更・・・ねぇ」とそこまで思い入れはなく、社畜時代に後輩の愚痴を聞くために開催されたご飯会で提案されたのがサイゼリヤだった。
サイゼリヤに来たことがないと言うと「今までどうやって過ごしていたんですか」ととんでもなく驚かれたけれど、県内に3店舗しかなかった店など、なくても過ごせるに決まっている。

(しかも全部遠い 車で約二時間かかる)
それから時を経て「ひとりファミレス」に何度か利用しているが、正直な感想は「そこまで熱狂するもんか?」だ。
石を投げるのは一旦お辞めください。いったん、ね。
はじめて利用したのが学生時代だったなら話は変わっていたと思う。
すべてが安いし、かと言って量が少ない訳ではない。アラカルトがたくさんあるからランチのようにも楽しめるし、ちょっと軽食にもいい。
「ぼくがかんがえたさいきょうのさいぜりや」選手権も開催されることだろう。1,000円でいかに満足度の高いラインナップをチョイスできるか?は、大人がやっても面白いに決まっている。
私は大人なので税込み100円のグラスワインに悲鳴にも似た感嘆の声をあげて狂喜乱舞する。最近ワインが飲めるようになったので嬉しいことこの上ない。

酒飲みに優しいプラスチックの容器、キンッキンに冷えた飲みやすいワイン。いいねぇ。
マリアージュやペアリングなど一切気にせず、食べたいものを注文する。コーンピザ大好きだから注文しちゃう。やったね!!!
美味しい嬉しいとモグモグ食べていたら、隣にスーツ姿の男性が着席した。慣れた様子でデカンタ赤ワインとほうれん草のソテー、キャロットラペを注文。
すぐに届いたワインには手をつけず、全ての商品が届いてから静かにフォークを取り出した。そして左手には文庫本。
かっこいい・・・!!!!!
恋にミーハーな淑女諸君らのために無粋ながら明記しておくが、ルックスがという話ではない。
もっと哲学的な、大人の余裕というか、自分の時間を贅沢に甘やかすかのような・・・
コーンピザをモグモグ美味しい!!とニコニコしている私もそれはそれで愛らしいが、対照的に彼の挙動はすべてに余裕があり、それはファミリーレストランには似つかわしくないほどにうやうやしく見えた。
少女漫画だったら彼の席にだけ背景にはバラが散りばめられ、長いまつ毛に隠されたアンニュイな目元、すらりと長い指が儚げにページをめくっていることだろう。
独身の性として左手薬指に輝くイチモツが最初に目に入ってきたのはさておき、さらさらと淀みなく進んでいく動作が素晴らしく美しくて、なんだか感動してしまった。
多分ワインを2杯飲んですっかり酔っていたのだと思う。水がすこぶる美味しかった。

すっかりご機嫌で店を出た。
確かにこんなお店が近くにあったなら、学生時代はもう少し変わっていただろうなぁ。
私は専ら「ジョイフル」派だった。山口県に2026年現在36店舗ある。逆に大阪には3店舗しかない。
今もまだ店内放送の「ルルールジョイフル♪」は歌える。こういういらないことって忘れないもんだよなぁ。

