甘いもの、しんど~い/背伸びのクッキー
先日買ったデメルのクッキー。思っていたより全く減らないがどうしたものか。

高価なものと身の丈
所用のあと阪急百貨店をぶらぶらしていた昼下がり、お気に入りの「いろは」でお惣菜を買っても尚胃袋の心配をしている私。家に帰ってご飯を炊けばチキンチーズフライとベーコンチーズコロッケで遅めのお昼ご飯は完成する。でもそうではない。そういうことではないさみしさを胃袋が訴えていた。
こういう時は甘いものが食べたいときと相場が決まっている。特に最近はアイスコーヒーを飲みながら作業することが多いから、ブラックコーヒーと一緒にパクっとつまめるもの。本当はクリーム系が好きだし食べたいけれど、今は要冷蔵よりも机の上にぽっと置いていても大丈夫なもの。長年付き添った胃袋、心配はなにもいらない。
百貨店の喧々とした、でもどこか落ち着いてかしこまった雰囲気が好きだ。最近はいつ行っても海外からの観光客でにぎわっているけれど、それでもどこか上品さを感じるのは私が百貨店慣れしていないからかもしれない。せっかくならかわいいパッケージのお菓子がいいなと歩けば大きなスーツケースにぶつかりそうになり、隣の店と比べてみようとウロウロすれば違う言葉とジェスチャーを器用に駆使してお買い物、いわゆる爆買いするアジア系の家族に道をふさがれる。難儀すぎる。
ふと見つけたのがデメルだった。洋菓子に明るくない私だが、チョコレートが大好きな友人がいたおかげでゴディバとデメルぐらいはわかる。クッキーに3,000円かよと思いながら、かわいいパッケージだし空き箱を何かに使おうとけち臭いことを考えて購入する。優しい店員さんが「お渡し用のお手提げ袋、中に入れておきますね」と声をかけてくれる。誰に渡すわけでもないけれど、デメルの紙袋が欲しいから黙って頷く。
「みなさん、私は今!デメルの!クッキーを!購入しております!!」と闊歩したい気持ちを抑えながら百貨店を後にする。デメルの紙袋を持っている。その事実だけで気が大きくなったのか、ついうっかり予定外にLUSHでボディミストを買ってしまった。こちらも素敵な店員さんだったので思わず買います!と言ってしまったが、その後で値段を見て引くに引けない状況だった。ボディミストに5,000円。貧乏人がたまに奮発すると気が大きくなっていけない。
そんなわけで今の机の上にはかわいらしいデメルのクッキー箱があるわけだけど、意外とあんまり食べない。根が貧乏性だからだろうか、スーパーで298円の小袋入りファミリーパックなら永遠にモグモグ食べるのに、ゼロが一つ増えただけでなかなか手が伸びない。高嶺のクッキー(高値でもある)。単純に今クッキーの気分ではないのかもしれないけれど、箱の上に中濃ソースを置いてしまっているぐらい興味がわいてこない。
そもそもせっかくだし百貨店でお菓子を買おうと思ったのも、安いお菓子だとすぐに食べてしまうし、たまにはいいお菓子をチビチビ食べる贅沢をしようと思ったから。バレンタインの時期になると「高級なチョコを一日一粒ずつ食べるのが楽しみ」と友人は言っていたが、チョコを一粒で我慢できるなんてどんな修行を積めばいいのだろう。私もその領域に達したくて挑戦したが、そもそも修行の道を間違えている気がする。
数年前より甘いものを受け付けなくなっている自負はある。食べるのは食べるけれど絶対にブラックコーヒーが一緒に欲しいし、市販のプリンも半分でいいと思う。じゃあその分何が好きになったかというとそれも特にない。しいて言うなら水がいい。水。お茶もコーヒーも好きだけれど、永遠にミネラルウォーターが湧き出てくるウォーターサーバーが欲しい。まぁそんなものはないので最近は水道水を飲んでいるけれど、井戸水で育っているから真夏のぬる~い水になんとなく抵抗がある。ミネラルウォーターと飲み比べてもどうせ違いは判らないだろうに、変に贅沢をしようとしてもどうせ使い切らないことは明白で、だからこそ今、思ったよりなくならないクッキーに頭を抱えている。私は森永のマリーがお似合いということだ。