タイトルを見た時、「どうせアレだろ会社員は生産性悪すぎるとか斜に構えたコンサル系のアレでしょ?」と思った。素直に謝りたい。ごめんなさい。
しないことリスト phaさん
品場諸友さんが紹介されているのが気になって読んでみた。こういう攻めたタイトルの本、「それってあなたの感想ですよね?」と手に取ることがないのでやはり他人のレビューは読むべきだ。
quatresepthuitm.hatenablog.com
結果、読んでよかったし買ってよかった。なんていうか、もっとこういうゆる~~い人がもっと増えてほしい。
「あたりまえのこと」とされすぎているけれど、我々は日々結構頑張っていると思う。週5日学校・会社に行く、支払いをする、ゴミを分別する、などなど。誰にあまたを下げられているわけでもないのに、「ちゃんとしなきゃ」とどこかで埋め込まれた強迫観念に追われながら走っている。とんでもなくエライ。
著者がどこまでゆるく、自分を大事にされているかはぜひ一読いただきたいが、パッと思いついたのは漫画シャーマンキングの主人公・麻倉葉ぐらいゆるい。(わかる人だけわかってもらえたら大丈夫です)
ちょっとしんどいから席を外すとか、疲れたから休むとか、言葉で見る限り「それくらい別にいいじゃん」と思えることでも、いざその場で当事者になると難しい。隣の人に迷惑かけたかなとか、休んだら翌日がめんどくさいなとか。他人の視線と自分の損得とを天秤にかけて、どうにかイイ感じに真ん中にならないかなと考えた結果「まぁ今我慢すればいいか…」となってしまう。こういう方多いんじゃないだろうか。
本著の中で印象的だったのが、「そういう人と思わせておけばラク」ということ。確かに、「あの人よくフラッといなくなるよな」と分かっていれば必要な対策が打てるし、いざそうなってもまぁいつものことか、と動揺することはない。自分で何とかしようとするだけでなく、周りも巻き込んでしまえば天秤は大きく傾かない。自分ひとりだけラクをしようとするのは傲慢という考えは、違う意味で正しいのかもしれない。
私自身も筆者と同じく体力がないので一日に何ターンもすることができない。一回お出かけをしたら帰宅後はもう家でゴロゴロするしかない。その後外食に行こう!なんて本当に面倒くさい。その分一度のお出かけで10個ぐらい要件を済ませるのだけれど、もっとマメに外に出て人と出会うべきなんだろうなぁ…とは思っているものの、とにかく面倒くさい。それでも無理やり外に出ても、帰ってきてからの疲労感を考えるともうこの今この時点で億劫すぎる。
そんな自分に嫌気がさしていたが、筆者の生活というか、自分に合わせた動き方に納得した。無理するより、疲れる前にしっかり休む方がいい。なるほど確かに。「周りの人たちはこうだから」と比べていては私は疲弊していく一方だ。体力がないことを恥じる必要もない。私がそれをコントロールして、生活の基盤を作っていけばいいだけのこと。それなのに「~であるべき」という考えのせいでなかなかその考えに至らずにいた。私が欲しかったのはコミュニケーション能力でもフッ軽さでも体力でもなく、「もっと頑張らなくていいよ~」の言葉だったようだ。
こうやって「しないこと」を決めていくのは簡単そうで難しいのかもしれない。トライ&エラーで取捨選択していくしかないのだから、近道もないのだと思う。でもその先に生きやすいかたちがあるのであれば、一度ちゃんと考えてみる必要があると思う。
