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【読書感想文】君のクイズ【ネタバレなし】

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とらちゃん
とらちゃん

こんにちは。読書の時間だよ

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君のクイズ(小川哲)

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普段小説を読まない私が久々に手にした本。

と言うのも映画「君のクイズ」を見て感銘を受け、「これが言語化されるとどうなるんだ?」という好奇心で読み始めたもの。

結論として「映画とは違う臨場感」がいい意味で心地よく面白かった・・・!

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惜しむらくは先に映画を見てしまったもんだから、「ここは映画と違う」と相違点を見つけてしまう余計な邪念が入ってしまった。

そもそも小説がドラマや映画化されたものを両媒体とも見る経験をあまりしていないから、いわゆる「実写化」という文字が映像へ媒体が変わるときに生じるズレの「あるある」とか「やりすぎ」をよく知らない。

そういうフラットな意味であえて感想を言うなら、「2倍楽しめてラッキー✌️」

原作と映画、生まれたてのヒナが最初に見たものを親と認識するように、どちらが本家と捉えるかは人によって異なるためその定義は大変に難しい。

年功序列ならば先に公開されたもの、今回であれば原作の小説が親になるわけだが、先に映画を見た私は原作を読んでも三島の行動は中村倫也で再生される。

私の場合はそれが機微に触れるためにイイ仕事をしてくれて、原作小説と映画、それぞれ同じ世界線でありながらスピンオフのように新鮮で読みごたえがある作品と感じた。

映画との相違点は割と早い段階で「あれって映画オリジナルだったのか」と圧倒される。「劇場版にふさわしいエンタメ」を加味した大胆な改編がある。

結末を知っているが故に楽しめる安心感、でもアレはどう落とすのか?の不安。

もちろん原作と映画で結末はかなり異なる。伝えるべきテーマはがっちり抑えているが。

そうなると次第に映画のあのシーンは蛇足だったなとか、ちょっと泣かせに来すぎていたな、とか考えてしまうけれど、その評論家気取りを気持ちよく一蹴してくれる爽快さはどちらも同じだった。なかなか不思議である。

競技としてのクイズに触れたことがない人には、本書の臨場感は異常に感じるかもしれない。

坂田が「クイズはスポーツである」と開催した賞金1,000万円がかかった生放送のクイズ番組の特異さをまずは理解する必要があり、巻き込まれた人間たちとその真意に恐れを抱くのが本書である。

著者の小川氏が「Quizknockの動画を参考にした」と明言しているように、クイズプレイヤーの勢いと情熱は目を見張るものがある。

私もQuizknockから競技クイズの世界を知り、偶然本書と出会えた。

だからこそ0文字解答の意味や三島の葛藤がなんとなく読み取れたが、本書はそれらを知らない初心者でも程よく体験できる丁寧さがある。

早押しクイズと小説がこんなに相性が良いとは思わなかった。小川氏の観察眼あっての0文字回答。クイズプレイヤーの脳内をここまで言語化した形で見られるとは。

カンの良い方であれば「0文字解答はヤラセでした」という陳腐な結末にまとまらないことは想像に容易いと思う。「最終問題を予想していた」でもない。

もっとクイズの奥深いところーー人生、プライド、クイズプレイヤーたらしめるもの。

解答ボタンを押す一瞬に費やしてきたものを、我々は本書ではじめて知ることになる。

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