どこで感謝されるんだか 適材適所でくらす
度々実家の話をして恐縮だが、帰省中は度々母親を連れてお買い物やらドライブやらに行った。運転免許を持っていないのに道に詳しいアナログカーナビの母である。
喜ばれることかねぇ
色々と母を連れて運転したが、その中で特に喜ばれたのがホームセンターの園芸コーナーとラーメン屋だった。なんでやねん。
理由は至ってシンプルで、普段運転をする父が嫌がって行かないから。だと言う。なんだ、どこに行こうとアレコレ考えていたのに、そんなところでええんんかい、意外なリアクションで驚いた。
まずホームセンターの園芸コーナー。私と母は植物が好きという共通項がある。母の方が経験も知識も段違いだが、一緒に季折々で植物公園に行くし、旅行先でも向かう。
そんな母が「今日はポイント10倍だから、特に買うものはないけど行ってみよう」と、楽天ペイの使い方を説明するために寄ったドラッグストアの横のホームセンターを提案した。一度の買い物で多数のタスクをこなすのは田舎者の性である。
店内入り口前の園芸コーナーは、お正月の寄せ植えやら柑橘類の苗木やら、寒さに負けじと賑々しい。いい値段するねぇとかいい色だねぇとか、2人並んで後ろ手を組んでウロウロ。
その中で母の目に留まったのがクリスマスローズ。最近のクリスマスローズは上向きに咲く改良品種が多い。これは下を向いたいじらしい姿が魅力なのにねぇ、どこから目線だかわからないことを言い合っていたが、その中で2つ、母のお眼鏡にかなうものがあった。見事な八重咲と、淡いアンティークな色合い。両方ともお値段もイイ。早速カゴに入れる。
父も趣味で農業をしているからホームセンターには行くが、母の園芸趣味に対してはさほど興味がない(食べられないから)。それゆえに花の苗を見ていると「まだ育てるんか」とチクリと嫌みを言われるらしい。
その点植物好きの私だと文句も言わずについてくるから、大変ありがたいのだと。へぇ、そんなもんですか。
同じ理由で、ラーメン屋も喜ばれた。
出先の道中で、長く続く老舗のラーメン屋が目に留まった。そういえば、と私は行ったことがなかったから、じゃあお昼に食べようかと寄ることにした。
流石は有名店、三が日とは思えないほどランチタイムは混雑していた。だが思っていたよりも回転がよく、待っていたのは10分程度だったと思う。初めてのラーメンに舌鼓を連打させていただいた。

これも、父とは来れないらしい。せっかちで外食を嫌い父は、こういった待つ飲食店に行けないという。由々しい問題である。
確かに言われてみれば、まだかまだかと急かすような人と外食をするものではない。こんなラーメン屋で喜ばれるなんて、もはや不憫だ。
先日無理を言って博多とんこつ系のラーメン屋に父と行ったらしいが、その時は大変お気に召したのか、また行くぞと珍しく言ってきたと嬉しそうに言う母。不憫である。
娘としてできる親孝行なんて本当にごくわずかで、帰省した時にアッシーに徹することと、健康でいることしかないように思う。
まさかホームセンターとラーメン屋で「あー来れてよかった」と言ってもらえるなんて、うちの母はお嬢様なのかと思うが、生活とはそういうものなのだろう。30万円かけて普通自動車運転免許を取得して本当によかった。
次回帰省するときは、アレコレ奇をてらったお店より、そういった「手が届きそうで届かない」場所に連れて行った方がいいだろう。こちらとしてもいい勉強になった。
