「ぽんちくりん」という言葉を聞いて盛大に吹き出してしまった。ぽんちくりん。あんぽんたんでもなく、ぽんちくりん。なんとかわいらしい響きだろう。
よくわからんけどかわいい
その方は「あんぽんたん」みたいな要領で「ぽんちくりん」と言っていた。言葉が悪いが「あいつぽんちくりんやで」みたいに。なんだか、あんぽんたんよりもマイルドに聞こえるのは私だけだろうか。もしかしたら方言なのかもしれないけれど、少なくても私は人生で初めて聞いた。
語感的に子どもの言い間違いに近いのかもしれない。一応「ぽんちくりん?」と聞き返したが、きちんと「ぽんちくりん」と返ってきた。7月のオモシロ言葉アワード大賞受賞、おめでとうございます。
私自身、地方の田舎出身だから本来めちゃくちゃ方言がキツイ。山口だが言葉は広島に近いので、皆様ご存じ「じゃけぇ」がメインではあるが、厳密にはもっとキツイ。山口だと「ちゃ・ちゅ・ちょ」を使うのでうる星やつらのラムちゃんみたいなところがある。「しちょる?(やってる?)」「ちゅーても(言っても)」など。山口県のゆるキャラがちょるるなのはここからきている。
リンク
方言がコンプレックスなわけではないけれど、言っても伝わらないだろうな~と思っているので普段は使わないようにしている。そもそも「じゃけぇ」がちょっと強い語気に聞こえるというか、「怒ってる?」と言われてしまうことが多いので、他府県とのコミュニケーションにはそもそも向いていない気がする。
唯一使うのは「~~しなさい」を「~~やりんちゃい」ぐらいだと思う。山口だと「~~しんさい」になるので広島の言葉ではあるが、どことなくあざとかわいいので時折使う。食べんちゃい。寝んちゃい。かわいいでしょう。
ただ、適切な言葉としての代替案を探すのがなかなか難しい。「けどい」と言うのは味の感想を表すときに使うが、味がしつこいとか脂っこいとか、酢がきつすぎるなどざっくり大味の時に使う。たまに「むつこい」とも言うが、「このドレッシングちぃとけどいっちゃね」など、何がどうという細かい感想ではない。また「えずい」というのは頭がいい人を指す。「あの人はぶちえずいでの」というと「あの人はとても頭がいい」であり、なんとなく「えずく」を連想するが誉め言葉である。
方言の素晴らしいところは、細やかなニュアンスを含まないのでどんな場面でも使いやすいことがあると思う。意味自体が広義的というか、「ざっくりこんな感じの雰囲気の言葉」の共通認識があるから、形容しがたいことでも言葉一つで伝わってしまうことが多い。「わや」という言葉があるが、これが本当に使い勝手がよくて、「ひどい」「どうにもならない」という意味だが、この一言で充分すぎる情報がある。「わや」ならまぁなんかひどいんだろうな、「わやわや」になるともうどうにもならない手に負えない悲惨な状況なんだなとか。単語を繰り返すだけで雰囲気が伝わってくる。
面白いところが、「とても」「わや」ではなく、「わや」「わや」で表しているところにある。本来なら「ぶちわや」でも伝わるはずだが、「わやわや」と言う。英語のKを発音しないみたいな特殊なルールがあるのもまた、整頓されていない方言らしさがあってよいのではないだろうか。
ぽんちくりん、やっぱり何度聞いても面白い。面白さをかみしめながら、数日前に楽天で見つけたかわいいキーホルダーをポチろうとページを開いた。

売り切れである。
ぽんちくりん♪と浮かれている間に、欲しかったものは指の間からすり抜けていった。キーチャームってめっちゃかわいいけどキーホルダーはいっぱい持ってるし、どうしよ~~などまごまご考えているうちにこのザマ、まさに私がぽんちくりんだ。
地元で頭が足りないおバカさんを「ぱーぷー」と言う。ぱーぷーのぽんちくりん。あんなに連呼していたのが実は私だったようだ。
|
|