大人になってわかることは多数あるけれど、「カップが小さいことで得られる効能」はここ数日で得た知見の一つだ。
いっぱい飲みたい!けど…
とにかく何かしらを飲む。お茶、コーヒー、紅茶、インスタントのスープ、寒さを感じ始めると特に電子ケトルに稼働してもらうことになる。たくさん飲みたいものだから、マグカップはいつも大きいが正義だと思っている。
長年、大好きなエヴァンゲリオンのシンジ&カヲルくんのマグカップを愛用している。エヴァンゲリオン展のおみやげで頂いたもので大事に使っているが、実は前にも違うデザインのシンジ&カヲルくんマグを愛用していた。うっかり割ってしまったので二代目。好きなものは何度使っても飽きない。
このマグカップの容量がだいたい400ml、一般的なサイズ。とにかく使い勝手がいいのでなんにでも使っていたが、あるときふと気が付いた。このマグカップで飲み物を作ったとき、だいたい飲み切れていない。
コーヒーはなんだか味がぼんやり、紅茶は苦くなり、スープは薄い。何より飲み切る前に冷めてしまって、レンジで再加熱しても中々飲み切れない。
欲張りな性分で、ついなみなみと注いでしまうのが悪いのだが、おいしく飲み切れないのではもったいない。かといってオシャレなカップ&ソーサーを扱い切れるほどお上品ではない。どうしたものか。
なんともお上品な色合い。小さめで青でちょっと武骨なものを探していた時にちょうど一目ぼれした。容量は330mlとなっているが、この小ささになみなみ注ぐのはなんだか無粋な気がして、7割くらいしか入れない。これが大変にちょうどいい。

使い始めて一年近くたつが、温かい飲み物はやはりこれがしっくりくる。なんにしてもちょうどいいサイズ感、そうそうこれこれ、と毎度感心する。
元々焼き物には興味がない。だが、小さめのマグカップを探すにあたって、キャラクターものや凝ったデザインのものは、なんだか違う気がして。文字通り武骨で、シンプルだけど存在感があって、でもお茶でもコーヒーでもなんでも受け止められる懐の広さ…と探してたどり着いたのが信楽焼。すっかり気に入って、同じデザインの湯飲みも購入した。
さて、ここで一息コーヒーでも。と頂いたドリップコーヒーに手を伸ばす。湯を沸かす間に普段見ない裏面を気まぐれに見てみる。「お湯140mlを注いでください」とあるじゃあないか。140mlですって!?マグカップの半分以下の量。
もしかして私、今までのコーヒーは2倍希釈で飲んでいたのか。あれだけなみなみと注いでいれば、そりゃあ味もぼやける。アメリカンコーヒーが好きとは言え、言わば出涸らしにお湯を注いでいたのでは雑味やらなんやらももれなく出てくることだろう。どのみち豆乳で割るので薄まるが、まさか、2倍(以上)希釈していただなんて。
齢30を超えて、やっとちぃちゃいカップの有用性が理解できた。欲張りも程ほどにすべきだ。
