【読書感想文】撃ち抜くみたいに着飾って(志賀玲太)【美と知】

こんにちは。読書の時間だよ
美に隠された影を探して
長年QuizKnockのファンをしているが、中でも大好きなのが志賀玲太さん。
志賀さんのの魅力は物腰柔らかな佇まい、丁寧に選び抜かれた言葉、その中に垣間見える個性・・・すべてが美しくて、本当に大好き。
美しくて丁寧で柔らかい人、はじめて動画に登場したのを見た時、志賀さんに抱いた感情は端的に言えば「憧れ」であり、少しミステリアスな神秘のヴェールを被ったような雰囲気がたまらなく魅力的だった。
最近は動画の出演回数が減っていらっしゃるものの、noteなど他SNSでのご活躍もあるし、なにかと供給があって助かる~~と思っていた矢先にこの本を発見して、フンフン鼻息荒く購入したのです。
撃ち抜くみたいに着飾って 志賀玲太

やっぱり、何はともあれこのタイトルよね!!
そもそも服に興味がない私にとって、「着飾る」ことに対する解像度が本当に低くて。
Tシャツに黒パンで365日過ごせばええやん、と思っているところに「撃ち抜くみたいに」 なんて・・・なんて心強くてかっこいいことか。
何者かになるために着飾ることも、自分を表現するために着飾ることも、どれも等しく、誰にも邪魔されない領域であることを思い出させてくれる。
私にとってファッションとはコンプレックスとの対話であって、「この服を着たいからダイエットを頑張る!」とか「憧れのアイテムを買うために仕事を頑張る!」とか、生活のモチベーションに思えるほど魅力的なものでもない。
タイトスカートを履きたいけどぽっこりお腹が気になるとか、ニット素材だと太い二の腕がイヤとか。
逆に言えば体のコンプレックスを隠してくれるのもまたファッションなのだけれど、そこにアイデンティティを置くスペースはない。
私は偶然にも自己表現の仕方が文章を書くことだっただけであって、ファッションで自分を表現できないことがくやしい、と涙を流したこともない。
だからこそ、志賀さんの「撃ち抜く」装いとは?その気持ちとは?というところが気になった。
そもそも、「服が人生を変えることもある」ことを教えてくれたのは矢沢あい先生の『ご近所物語』だった。
主人公の高校生・実果子が夢であるファッションデザイナーになるため、恋に勉強に奮闘する物語なのだけれど、その昔、一瞬だけジュエリーデザインをしたいと思っていた私の心にすごく響いた。
この本のおかげで上京する覚悟が決まったし、1人で作品を作ってイベントに参加して・・・という経験をすることができたから、私の中ではバイブル的な存在の漫画。
あくまで私は実果子たちの好きな物に対する情熱や行動力に憧れたのであって、ファッションの世界観に魅了されたのではない。
でもこの本がなければ、街中で奇抜(とされる)な服を着た人や、家賃以上の値段がする服を買い求める人の気持ちは今もわからないままだったと思う。
では、男性の骨格をもつ志賀さんがゴスロリの服を身に纏うとは、どんな意味があるのか?
というところを少しでも垣間見たくてこの本を購入した。
・・・この辺のストーリーはぜひ志賀さんの言葉で読んでいただきたいのだけれど、なんというか、優しい絆創膏みたいな本だと思った。(褒めている)
夜眠る前に少しずつ読んで、傷ついた心を手当てしてくれるみたいな・・・そんな柔らかさと、モヤモヤした気持ちの具現化と、マイノリティである後ろめたさをそっと包み込んでくれるような・・・
久々に「読み終わりたくない」と思える本と巡り会えた。
読み進めたいけど終わってしまうのはイヤだ!でももっと志賀さんの言葉に浸かって、やわらかいぬるま湯みたいな心地よさでゆっくり溺死したい・・・とまどろむところで読み終わってしまう。
動画の志賀さんとおなじで、丁寧に選ばれた言葉はどれもじんわりと染みて、繊細なレースのように上品で高貴で、かといってお高くとまるようないやらしさがない。
時折、ゴシックの厳かな場所にいるような自然と背筋がスッと伸びる緊張感もある。でもそれはイヤな汗をかく緊張感ではなくて、「この本みたく」と前を向けるような胸の高鳴りと言った方が近いのだと思う。
写真、装丁、内容、すべてが「これが志賀さんなんだ」と堪能できる仕立てが本当に素晴らしくて、もっと写真を見せてよ!!とこそ不満に思ったけれど、そんなことを忘れるくらいの多幸感を味わえる。
この本を手に入れて、もっと志賀さんに対する憧れが強まった・・・というか、正直にミーハーなことを言うと、めっちゃ推しになった。なにこのお方。美しいだけじゃなくて内面も美しいなんて聞いてないんですけど!!!!
「志賀玲太」を存分に堪能できる一冊すぎて、購入してからずっと枕元に置いてある。美しい表紙を見るだけでなんだか嬉しくてしょうがない♥️
志賀さん、これからも応援させてください。


